会いたい、伝えたい、この思い
「今度行った時は、話しかけてみよう。何から話せばいいかな?
そもそも、私のこと覚えててくれて、私だって分かってくれるのかな?」
と、ウキウキしつつも不安なことも渚紗は考えていた。
次の日...
早速行ってみた。
すると、そこに高杉の姿は無かった。
「・・・あれ?」
思わずこぼれる渚紗の拍子抜けした声。
昨日見た彼は、幻?
ずっと会いたいと思っていたから見えたの?
どんなに考えても答えは分からず、買い物を済ませ、帰宅した。
帰宅後もずっと高杉のことを考えていた。
「・・・確かめたい!」
実は、渚紗が高杉のことを好きだと知っていたのは、親友の千尋のみ。
千尋は割と情報通なので、知っているだろうと思い、電話をしてみた。
「はいはーい」
相変わらず元気な千尋の声。
「久しぶり!渚紗だけど、今いい?」
「うん、いいよ!どうしたの?」
渚紗は、バースデーカードを見てあの時告白しなかったことを後悔したこと、昨日バイトをしている彼らしい姿を見たことを全部話した。
「・・・そうだったんだ。残念ながら、高杉がそこでバイトしてるかは、分からないや」
「そうだよね。変なこと聞いてごめんね」
やっぱり知らないよね。と思い凹む渚紗。
「でもさ、もしかしたら休みだったとかの可能性もあるじゃん!また違う日に行ってみたら!?」
「・・・うん、そうだね!そうする!!ありがとう、千尋」
「ううん。またいつでも相談してね!」
いつも前向きに励ましてくれる千尋。
今回も助けられちゃった。と、思いながら、お互いに『それじゃあ』と言って、電話を切った。
「・・・うん、元気出た!また今度あのお店に行ってみよう。諦めたら、そこで終わりだもん!!」
きっといるよね。
ね、高杉。
会って、また君の笑顔が見たいよ。