炭酸的な君に溺れた。
あたふたと困惑する私に、その人は言った。
「あの、中から見てるとかなり怪しいんでやめてくれませんか?」
怪訝そうなその顔は、『めんどくさい』という言葉がピッタリ当てはまる。
うわー……見られてたか……
「すみませんっ!!」
何も言えない私の変わりに、結菜が謝る。
それを見て私も慌てて頭を下げた。
「用がないなら帰るか店に入ってくれません?」
そう言ってスタスタと歩きだす澤木君の背中を見ながら、小さな花がパァと開いた。
え、入っていいのっ!?
やったっ!!!
自他共に認めるマイペースな性格で、私は澤木君の少し後ろをついていった。
「ちょっと、入るのっ?」
コソコソと小さな声で言う結菜に、満面の笑みで頷いた。