言えない秘密~ヤクザが愛する女~
腕を掴まれた時の勇人の温もり、そして久しぶりに聞いた声。
甘い勇人の香り・・・。
その全てを感じた瞬間、気が緩んだのか涙が溢れて止まらない。
「美優。本当に悪かったよ」
勇人は私を引き寄せると、ぎゅっと抱きしめてくれた。
私、こんなに勇人の事が好きなんだ・・・。
抱きしめられて、こんなにホッとするなんて。
「ねえ、どうして連絡をくれなかったの?」
「ごめん。家の事情でさ・・・」
それ以上何も言わない勇人に、私はどうしても胸がスッキリはしなかった。
何かを隠してる・・・。
そう感じたから。