言えない秘密~ヤクザが愛する女~



「ねえ、勇人。諦めなよ」


実和がオレに近づいて言った。


「うるせえな。お前には関係ないだろ?」


いらつく気持ちを抑えながら、ソファーに深々と座る。


「関係あるよ!だって、私は勇人の婚約者になるんだもん」


そう言って、実和はオレの後ろから抱きついてきた。


「離れろよ」


「嫌。何で離れないといけないの?」


なんか、少し前のオレと美優の会話みたいだ。


これが美優なら、すげえ嬉しいんだけどな。


「言ったろ?オレは好きな女がいるの」


すると、実和はオレの耳元で囁いた。


「私にだって、死ぬほど好きな男がいたよ」





< 153 / 243 >

この作品をシェア

pagetop