言えない秘密~ヤクザが愛する女~
「ねえ、勇人。諦めなよ」
実和がオレに近づいて言った。
「うるせえな。お前には関係ないだろ?」
いらつく気持ちを抑えながら、ソファーに深々と座る。
「関係あるよ!だって、私は勇人の婚約者になるんだもん」
そう言って、実和はオレの後ろから抱きついてきた。
「離れろよ」
「嫌。何で離れないといけないの?」
なんか、少し前のオレと美優の会話みたいだ。
これが美優なら、すげえ嬉しいんだけどな。
「言ったろ?オレは好きな女がいるの」
すると、実和はオレの耳元で囁いた。
「私にだって、死ぬほど好きな男がいたよ」