言えない秘密~ヤクザが愛する女~



「分かってるよ。だから、私は親の言う事に従うの」


「そんなの、ムカつかねえか?」


そう言うと、実和は寂しそうに微笑んだ。


「そうしないと、結局は生きていけれないから。情けないでしょ?私・・・」


いや、それはオレも一緒。


結局は、親が敷いているレールを歩かないと、生きていけれないんだ。


でも、それは言わないでおいた。


実和とそんな部分を共有したって、意味ないからな。


でも、こいつも、それなりに考えて生きてるんだなと、それは垣間見えたかも・・・。


「ねえ、勇人。お互い納得はいかなくても、その内自然になれるよ。だから、婚約しようよ」


そう言って、実和はオレにキスをした。




< 156 / 243 >

この作品をシェア

pagetop