言えない秘密~ヤクザが愛する女~
そう自分に言い聞かせて、私は竜さんに笑顔を向けた。
「私、竜さんにも関わらない様にしますから。最後に一つだけ…。今日って、勇人は婚約者の人と一緒でした?」
「うん。一緒だったよ」
そうか…。
やっぱり一緒だよね。
だって、一緒に住んでるんだもん。
よし!
大丈夫。
もう、気持ちを切り替えよう。
勇人もきっと、私を忘れ様としてるはずだから…。
「竜さん、ありがとうございました!お元気で!」
軽く手を振る竜さんに、私は笑顔で応えて、走って帰った。
もう忘れる。
忘れて、早く勇人のいない毎日に慣れなきゃね…。