言えない秘密~ヤクザが愛する女~



「えっ?帰る?」


「うん。帰るよ。どうしたの勇人。そんなに驚いて」


目を丸くして驚くものだから、思わず笑ってしまった。


「美優、オレ、どうしてもお前に話したい事があって・・・」


「あっ、分かった。実和さんの事でしょ?おめでとう!おめでたなんだよね?」


本当は、こんな事言いたくない。


言いながら泣きそう。


それでも、弱い自分を見せたくなくて、強がって言ってしまった。


すると、雰囲気を察したのか、


「オレ、先帰るわ」


と、竜さんは言って、小走りで帰って行った。




< 230 / 243 >

この作品をシェア

pagetop