言えない秘密~ヤクザが愛する女~



勇人と2人きりなんて、気まずいよ・・・。


もう、おめでとうなんて、言いたくないのに。


すると、勇人は私を抱き寄せてきた。


「美優、ずっとずっと会いたかった・・・」


「勇人?ダメだよ。勇人は結婚するんだよ。離して」


ほとんど力づくで引き離すと、勇人は少し目を泳がせた。


「あのさ、実和の妊娠なんだけど・・・」


「何?」


私がそう聞くと、少し照れくさそうに言った。


「オレの子供じゃない」


「えっ?」


何言ってるの?


予想外の言葉に、一瞬呆然とした。


「何で・・・?そんな事が分かるのよ・・・」


「・・・。だって、オレ、ヤッてないもん」


ヤッてない?


「ヤッてないのに、子供が出来るかよ」


そう言う勇人は、珍しく顔を赤くしていた。



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