言えない秘密~ヤクザが愛する女~
勇人の温もりや香りは、やっぱり私には落ち着くものだった。
久しぶりに、こうやって抱きしめてもらうとよく分かる。
「勇人、私も勇人が好き。本当に、胸が張り裂けそうだったよ」
私からも、勇人を思いっきり抱きしめる。
見た目より勇人の体は大きくて、背中に手は回らない。
「美優。愛してる・・・。オレが絶対に守るから、オレの側にいて欲しい」
ぎゅっと強く抱きしめる勇人の腕は、少しだけ震えていた。
「うん・・・。もう離れたくない。だから、私を連れて行って。勇人の世界に・・・」
勇人と一緒なら、大丈夫。
絶対に・・・。
さようなら。
今度は、勇人にじゃなくて、今までの自分に・・・。
私は、ヤクザの世界に飛び込むから。