言えない秘密~ヤクザが愛する女~
気になる
〔勇人SAIDE〕
「ん?今、誰かお前を呼ばなかった?」
「そうか?聞こえなかったけど」
それにしても、週末の繁華街ってのは、いつ来ても人が多いよなぁ。
うぜぇなあ。もう。
「なあ、竜。やっぱ車で移動しね?人多すぎだろ?」
「ああ、そうするか?その方が、お前もケンカ吹っかけないで済むしな」
ったく・・・。
何でこいつは、嫌味ぽいんだろ。
「ケンカと言えば、昨日さ親父が帰って来てたんだよ」
「え?佑斗さんが?」
「そう。オレのやってる事は、チンピラと一緒って、怒られたよ」
「確かになぁ。ただ、ケンカを売り買いしてるだけだもんな」
何だよ。竜まで分かった口を聞いて。
ヤクザがケンカしないで、どうやってやって行くんだよ。
軽くため息をついた時だった。
「勇人さん!」
誰かが、オレの背中に触れた。