言えない秘密~ヤクザが愛する女~
「この辺は、オレらのテリトリーだからな。勝手な事されると困るんだよな~」
目を光らせて、辺りを見回す。
「おいおい、勇人。あんまり暴れるなよ」
まるでオレを牽制(けんせい)する様に、竜は慌てて言った。
そこが、オレと竜の決定的に違う所。
オレは、自分の組を、何が何でも守らなきゃならねぇんだよ。
お前にその気持ち、あんまり分からねえだろ?
竜の言葉は無視して歩き続けた時、かすかに女の悲鳴が聞こえてきた。