言えない秘密~ヤクザが愛する女~
「何、そんなに嬉しそうなんだよ。傷つくなぁ」
「えっ!?そんな事ないですよ!」
先輩は、わざとふて腐れた様に、私を見た。
「そんなに二人は嫌?」
「えっ?いや…。そんな訳じゃないんですけど…」
しどろもどろな私を見て、先輩は吹き出した。
「ごめん、ごめん。そんなにマジで取らないで」
「はあ…」
だって、けっこう本気で話すんだもん。
ビックリしちゃった。
「行こうか?佐絵ちゃんが待ってるし」
私たちは、帰り支度を済ませると、急いで待ち合わせ場所へと向かった。