言えない秘密~ヤクザが愛する女~
ようやく休憩になり、オレは逃げるように、ロビーまで出てきた。
「しかし、勇人も佑斗さんの前じゃ、大人しくなるんだな」
タバコを吸いながら、竜が笑いを堪える様に言った。
「笑うなよな。竜二さんにまで振られて、歯向かえる訳ないだろ?」
言ってしまえば、親父と竜二さんは、この世界のツートップだ。
オレだって、誰にでも暴れる訳じゃない。
「なあ、勇人。終わったらすぐに帰るか?」