crybaby princess
「っ…ハァ…ハァ……」
家の玄関の前まで来て
鍵を鍵穴に入れて回そうとするのに
「あ、開かないよぉ〜!」
鍵がなぜか回らない!
早くしないと始まっちゃうのに!
「永池くん!開かない!!」
永池くんに助けを求めると
「それ反対に回してるから開かないんじゃない?」
って私の手から鍵を取って左に回すと
─ガチャ
「開いた!ありがとう!!」
ドアを開けて玄関に入り
靴を乱暴に脱ぎ捨ててリビングへ走り込みテレビの電源をつけた。
「…ハァハァ…よかっ…た。間に合ったぁ〜」
ドラマはちょうどオープニングが始まったところだった。
両手で顔を扇ぎながらソファーに座った。