桜雪のごとく‐新撰組と現代少女‐
コンコン、緊張しながらドアをノックした。
「どうぞ」
部屋に入ると、近藤さんが書類の整理をし、土方がコーヒーを飲んでいた。
あたしには、気づいていない。
「お久しぶりです。近藤さん、土方」
あの時の呼び名で、
懐かしさが込み上げてくる。
その声に近藤さんと土方は振り向き驚いた顔をしていた。
「「水梨(くん)!?」」
「はい。久しぶりです。
約束、守ってくれましたね・・・。
やっと・・・会えました。」
そう言って、隣りにいた桜美に泣きついた。
涙腺が限界だった。
けど、彼らに涙は見せたくなかった。