図書館>>>異世界
私を抱き締めた王子は、あろうことか、そのまま私を抱き上げ一人がけのソファーに座った。
おかげで今の私の体勢は、王子がソファーに座り、私をお姫様抱っこしていると言うものに。
どこぞのバカップルですか。
つーか、恥ずかしい事この上無いのですが…
「あのー…王子?」
「ルークだ」
「え?チェス?」
「……俺の名前だ」
あ、自己紹介でしたか。
そういや王子の名前知らなかった。
…いや、まぁ。知らなくても支障は無かったような…。
「ヨル。ヨルだけには、俺を『ルーク』と呼ぶ事を赦す。
どうか俺を呼ぶときには―――」
静かに右手をつかまれ、甲にキスをされた。
いぬくような、深い蒼の瞳と間近で合わさる。
「―――ルークと、呼んでくれ」
………あー、もう!
イケメンって、ズルい!!!