図書館>>>異世界



「ヨル…ヨル、」


ぎゅうううと、痛いくらいに抱き締められる。

く、苦しい…!

実はひそかに私をころそうとしてるんじゃないだろうか?

そう思って、王子の胸に埋めていた顔を上げれば…



とても愛しい者を見るような…優しさに溢れた目をした王子の顔が。


ヤバい!こんな近距離で見てしまった!


私が面食いならば、鼻血をふいて大惨事だっただろう。


よかったー、面食いじゃなくて!


「あのー、王子、………スンマセン。ルーク?」


「なんだ?」


王子と呼んだ瞬間、笑顔の種類が変わった気がした。……何か、艶っぽい表情が混じったと言うか…

『呼んでもいいけど…知らないよ?』みたいな。


私、すごーくすごーく目が悪くて、授業中は眼鏡が手放せない程だけど、かわりに異常なくらい気配に敏感なのですよ。

あ、ちなみに。
普段眼鏡かけないのは、見えなくても別にいいやとか思ってるからね。

ポケットに携帯はしてるけどね?
セーラーの胸ポケットと、カーディガンのポケットに。


………うん。
無駄に脳内で話続けてるのには訳があります。


さっきから、王子の手が、そのー…うん。


動きがセクハラ?みたいな!
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