図書館>>>異世界
ひたすら、私を見つめてうるうるする少年。
「おいていかないで」
な、なんだこの可愛さは!
てか、迷子?いや、ここ城だしな…
白髪、紅眼……
ふと、窓を見上げて、それから私は少年に訊ねた。
ここは異世界。何が起こっても不思議ではない。
ならばきっと…
「……暁、かな?」
すると、ぱっと笑った少年はとてとてやって来て私に抱きついた。
「そうー!アカツキだよ、ヨルー」
未だに王子の膝の上に居る私(何故か、よりがっちり捕まれている)の腰に手を回し、頭をグリグリすりよってくる暁。
か、か、かわいすぎるーっ!
「暁、人間になれるの?さっきは龍だったよね?」
「なれるー!龍だけど、ボク、なれる!」
「……待て。その子供は、龍なのか?」
それまで暁をにらんでいたルーク王子が、マジマジと暁を見た。
「もし龍で人間になれるのならば、コイツは『龍神族』だぞ」