図書館>>>異世界
ルークはこの国の初代国王の色を持って生まれてきた。
輝く繊細な金細工の髪と、深い深い蒼の瞳。
それは海から生まれる太陽を表す、『夜明け』の色とされ、人々に愛されてきた色だった。
それを見事にうけついだルークは、素晴らしいほどに美しく育った。
しかしその美貌と地位は、ルークに幸せを与えるものではなかった。
いつしかルークは、媚を売る女、地位にすりよる貴族、私利私欲の塊の高官…そんな人間に嫌悪感を抱くようになった。
まだ子供であったルークは、政治に興味を示し、父王の代わりに自ら政治を学び、行うようになっていった。
父王も資質を認め、早くに譲ったくらいである。