図書館>>>異世界



ヨルと言う人間は、いつの間にか輪の中心に居るような人間だった。

むしろ、彼女の周りに輪ができると言うのだろうか。人を引き付ける何かを持っている少女だった。


最初は畏れる兵士たちも、ものの数分で名前で呼び合うようになるのだから、才能だろう。


同じ目線に立ち、対等に接する。

決して身分をふりかざさず、相手と向き合う。


なるほど。
あのルークがヨルを好きになるのも、わかる。


真っ直ぐな姿勢が好ましい。


目をおおっている前髪から、時々のぞく黒い瞳は、キラキラと輝いていて、それも魅力の一つだ。


皆がヨルにまいってしまっている。


そう、あのなつかない事で有名な龍神族の子供ですらヨルになついているのだから、相当だ。




これから先、ルークにとってこの出会いは好機だろうと確信するには、十分な人柄だった。
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