図書館>>>異世界
弟子になってからと言うものは、毎日が怒涛の日々だった。
朝イチのシズ先生の講義に始まり、実地訓練と称した宰相たちの会議を見学。合間に図書室で本を読み漁る………
何か、国会議員風な毎日だよね?
高二の青春ではないよね?
「ヨルは本当に飲み込みが早くて、助かります」
今は会議が終わって資料持ちながらシズ先生と歩いているところだ。
何故かシズ先生は私を手放しで褒める傾向にあって…
見た目は若いんだけど、何だか心境的にはおじいちゃんみたいな気分だ。申し訳ないけど。
「早いかは別として、出来ているなら安心。
やっぱり宙ぶらりんな身分じゃ危険だしなあ」
「ヨル、貴女は…」
「優秀過ぎて困るくらいだな。
おかげで私がヨルを一人占めする機会が減ってしまった」
「おや、王子」
「げ、王子…」
あ、やべ。ぽろっと『げっ』なんていっちゃった!
まぁ、神出鬼没な王子も悪いよね!
何かとちょくちょく絡んでくる王子はさておき。
「先に行ってますねーシズ先生」
スタスタ歩く私。
「………………。」
「(…何て不憫なんでしょうルーク様…)」
何か物言いたげな視線はビシバシ感じるがあえて気にしない!