雪割草
二人は四号線に出ると、北へ向かい足を進めた。
車の通行量も多く、排気ガスで息も咽ぶ中、シローは振り向きながら言った。
「香奈ちゃん、もういいぞ!あとは大丈夫だ」
香奈は顔を上げ、
「もうちょっと、手伝ってあげるよ!」
荷台を押す手を止めなかった。
「シローひとりじゃ大変でしょ?それに、いざという時私も何かの役に立つかもよ!」
息を途切らせ、一生懸命荷台を押してくれる姿を見ていると、それ以上は何も言えなくなってしまった。
二人は北風に後押しされながら、一心不乱にリヤカーを運んだ。
バイパスの歩道には秋桜が咲いており、疲労感を少し癒やした。
その反面、車の排気ガスに花びらを揺らされているのを見ると、切ない気持ちにもなっていた。
やがて、北風が向かい風へと変わり始めた頃、香奈は違和感を感じ始めていた。
「ねえ、シロー。ちょっとさー何か変な臭いしてこない?」
その言葉に現実に引き戻される思いがした。
香奈は異臭の出どころに気付くと、荷台のブルーシートの上から匂いを嗅いでみた。
「やばいよシロー!美枝子さんから変な臭いがしているよ!」
香奈は動揺しているようだった。
車の通行量も多く、排気ガスで息も咽ぶ中、シローは振り向きながら言った。
「香奈ちゃん、もういいぞ!あとは大丈夫だ」
香奈は顔を上げ、
「もうちょっと、手伝ってあげるよ!」
荷台を押す手を止めなかった。
「シローひとりじゃ大変でしょ?それに、いざという時私も何かの役に立つかもよ!」
息を途切らせ、一生懸命荷台を押してくれる姿を見ていると、それ以上は何も言えなくなってしまった。
二人は北風に後押しされながら、一心不乱にリヤカーを運んだ。
バイパスの歩道には秋桜が咲いており、疲労感を少し癒やした。
その反面、車の排気ガスに花びらを揺らされているのを見ると、切ない気持ちにもなっていた。
やがて、北風が向かい風へと変わり始めた頃、香奈は違和感を感じ始めていた。
「ねえ、シロー。ちょっとさー何か変な臭いしてこない?」
その言葉に現実に引き戻される思いがした。
香奈は異臭の出どころに気付くと、荷台のブルーシートの上から匂いを嗅いでみた。
「やばいよシロー!美枝子さんから変な臭いがしているよ!」
香奈は動揺しているようだった。