雪割草
二人でリヤカーを運んでいると、四号線は次第に険しい道へと、その表情を変えていった。
坂道の傾斜も厳しくなり、シローと上田の足取りも重くなっていった……。
「大丈夫ですか?」
シローは振り向き、上田を気遣った。
「大丈夫ですよ。全然……。」
荷台を押す上田がその言葉を発したとおもうと、前方にはトンネルが現れてきた。
この長い旅路の中で一番の難所であろうその坂道のトンネルは、大きな口を開けながらシロー達を待ち構えていた。
トンネル内に足を踏み入れ、顔を伏せながら歩いていると、外気よりも少し生暖かい温度差に不気味さを感じた。
車道のすぐ横を併走して通る坂道の歩道を、排気ガス混じりの咽ぶ風に怯えながらリヤカーを運んだ。
「ゴホッ!ゴホッ!」
トラックが通り過ぎる度に、上田は手で口を抑え咳をしている。
ようやくトンネルを抜けると、二人の視界には紅葉で染まる山々の景色が広がった。
坂道の傾斜も厳しくなり、シローと上田の足取りも重くなっていった……。
「大丈夫ですか?」
シローは振り向き、上田を気遣った。
「大丈夫ですよ。全然……。」
荷台を押す上田がその言葉を発したとおもうと、前方にはトンネルが現れてきた。
この長い旅路の中で一番の難所であろうその坂道のトンネルは、大きな口を開けながらシロー達を待ち構えていた。
トンネル内に足を踏み入れ、顔を伏せながら歩いていると、外気よりも少し生暖かい温度差に不気味さを感じた。
車道のすぐ横を併走して通る坂道の歩道を、排気ガス混じりの咽ぶ風に怯えながらリヤカーを運んだ。
「ゴホッ!ゴホッ!」
トラックが通り過ぎる度に、上田は手で口を抑え咳をしている。
ようやくトンネルを抜けると、二人の視界には紅葉で染まる山々の景色が広がった。