雪割草
シロー達の行く手は更に厳しさを増していき、゛那須゛の峠へとさしかかっていた。
峠の登り車線は、゛遅い車゛と゛早い車゛の二車線に分かれ、車道が広い分歩道は狭くなってしまい、リヤカーが通れなくなってしまっていた。
シローと上田は顔を見合わせ困窮してしまった。
「どうしましょう……。」
荷台を押す上田がシローに問いかけた。
「仕方ないでしょう」
シローは゛遅い車゛の車道の方へ、リヤカーのハンドルを向けて舵をとった。
二人はなるべく車の邪魔にならないように道の端に寄ってリヤカーを運んだが、それでも後ろから追い抜いて行く車からは、容赦なくクラクションを浴びせられてしまった。
早くこの状況から脱しなければ……。
寒空の中を汗をかきながら、二人はリヤカーを運んで進み続けた。
数え切れない程の車にクラクションを鳴らされしまった。
あともう少しで峠の登り坂も終わり、歩道の幅も広くなる手前のことだった。
坂道の手前の方からパトカーのサイレンが聞こえてきた。
嫌な予感がシローの後ろ髪を引いていった。
回転灯を回したパトカーが追い抜いて行くと、五メートル程先に止まり車道を塞いでしまった。
峠の登り車線は、゛遅い車゛と゛早い車゛の二車線に分かれ、車道が広い分歩道は狭くなってしまい、リヤカーが通れなくなってしまっていた。
シローと上田は顔を見合わせ困窮してしまった。
「どうしましょう……。」
荷台を押す上田がシローに問いかけた。
「仕方ないでしょう」
シローは゛遅い車゛の車道の方へ、リヤカーのハンドルを向けて舵をとった。
二人はなるべく車の邪魔にならないように道の端に寄ってリヤカーを運んだが、それでも後ろから追い抜いて行く車からは、容赦なくクラクションを浴びせられてしまった。
早くこの状況から脱しなければ……。
寒空の中を汗をかきながら、二人はリヤカーを運んで進み続けた。
数え切れない程の車にクラクションを鳴らされしまった。
あともう少しで峠の登り坂も終わり、歩道の幅も広くなる手前のことだった。
坂道の手前の方からパトカーのサイレンが聞こえてきた。
嫌な予感がシローの後ろ髪を引いていった。
回転灯を回したパトカーが追い抜いて行くと、五メートル程先に止まり車道を塞いでしまった。