雪割草
次の日の朝は、肌寒い月日の変わり目となっていた。
武雄は徹夜明けで牛舎から戻って来ると、もう弟の姿は無い事に気が付いた。
コタツの上には、そっと封筒が置いてあった。
その封筒を手に取り中身を見ると、五千円札が一枚入っていた。
何故かしら腕の皮膚には寒気が走った。
武雄は茶の間のカーテンをスルリと開け、ガラス越しに表の景色を覗いてみた。
初雪が降っていた……。
辺り一面を真っ白に染める雪景色を、しんしんと真新しい雪が下りてきては、更に白く塗りつぶす。
庭先には出来たばかりの二本のレールの様な影が続いていた。
武雄は封筒を仏壇に供え……。
心から小鐘を鳴らした……。
武雄は徹夜明けで牛舎から戻って来ると、もう弟の姿は無い事に気が付いた。
コタツの上には、そっと封筒が置いてあった。
その封筒を手に取り中身を見ると、五千円札が一枚入っていた。
何故かしら腕の皮膚には寒気が走った。
武雄は茶の間のカーテンをスルリと開け、ガラス越しに表の景色を覗いてみた。
初雪が降っていた……。
辺り一面を真っ白に染める雪景色を、しんしんと真新しい雪が下りてきては、更に白く塗りつぶす。
庭先には出来たばかりの二本のレールの様な影が続いていた。
武雄は封筒を仏壇に供え……。
心から小鐘を鳴らした……。