雪割草
美枝子の方は、食べてしまうのがもったいないのか、なかなかセロハン紙を剥がせないでいた……。
なんども、なんどもリンゴ飴をくるくる回しては、手にかざしてそれを見つめた。
シローは美枝子の袖をつまみ、早く食べなと、急かしてみた。
「うん……。」
美枝子はゆっくりと頷き、やっとの思いでリンゴ飴を食べようとしていた。
もじもじとしながらセロハン紙を剥がす美枝子の足音を背中越しに感じながら、シローは「人が多いなー」と、一人で感心していた。
その時ーーー後ろの方から小学生位の女の子が二・三人で走って来ると、シローと美枝子の横をすり抜けようとした。
次の瞬間、最後の子が足をもつれさせ、美枝子の腕にぶつかってしまった。
「あっ……!」
なんども、なんどもリンゴ飴をくるくる回しては、手にかざしてそれを見つめた。
シローは美枝子の袖をつまみ、早く食べなと、急かしてみた。
「うん……。」
美枝子はゆっくりと頷き、やっとの思いでリンゴ飴を食べようとしていた。
もじもじとしながらセロハン紙を剥がす美枝子の足音を背中越しに感じながら、シローは「人が多いなー」と、一人で感心していた。
その時ーーー後ろの方から小学生位の女の子が二・三人で走って来ると、シローと美枝子の横をすり抜けようとした。
次の瞬間、最後の子が足をもつれさせ、美枝子の腕にぶつかってしまった。
「あっ……!」