雪割草
第十章~来援者
 月曜日の午後、十二支社通りでは祭りが終わり、次の場所へ移動する露天商達の引っ越しが行われていた。

道端には何台ものトラックやワゴン車が横付けされ、慌ただしくテントやら鉄骨やらを車に運び込んでいるところだった。

 それを後目に、シロー達も露天商達が捨てていった段ボールを拾い集め、忙しく働いていた。

その作業が一段落した午後三時頃、シロー達は休憩をとる為、公園へと帰ってきた。

皆、一斉に公衆トイレの処で手や足を洗い流し、それぞれの段ボールハウスへ帰ろうとした時ーーー。

 見知らぬ男が段ボールハウスの前で腰を前かがみに折りながら、何やら食い入るようにしてノートにメモを取っているのが見えた。


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