雪割草
もう少しで山手通りだ……。
交差点が見え始めてきた。
誰もが高揚感で足早になっていた時。
先頭を歩いていたチュンサンが、慌てて引き返しきた。
「おい!みんな大変だ!
アパートなんて、どこにもねえぞ!」
「なにー!」
皆、急いでリヤカーを引っ張り、地図に示された甲州街道と山手通りの交差点まで走った。
周りを見渡しながら、アパートらしき建物を探した。
「確かにこの辺りだな……。」
ニシヤンが自分達の位置と、地図を見比べて言った。
そこには大きな立体駐車場が在るだけだった。
青信号の電子音が鳴り出し、
「俺らは、あっちの方を見てくる」
何人かが交差点を渡って行った。
残ったシロー達は、立体駐車場の辺りを見て廻っていた。
悪い予感を感じながら、何らかの痕跡を探していると、ニシヤンが電信柱を見てある事に気付いた。
「おい!あれを見ろ!」
ニシヤンは電信柱の住所プレートを指差した。
「ここは新宿から近いけど、もう渋谷区だ!
新宿区役所が渋谷にアパートを建てたりするか?」
それを聞いて、全員呆然とした……。
そして次の瞬間、皆の脳裏を一瞬にしてよぎった。
゛だまされた!゛
交差点が見え始めてきた。
誰もが高揚感で足早になっていた時。
先頭を歩いていたチュンサンが、慌てて引き返しきた。
「おい!みんな大変だ!
アパートなんて、どこにもねえぞ!」
「なにー!」
皆、急いでリヤカーを引っ張り、地図に示された甲州街道と山手通りの交差点まで走った。
周りを見渡しながら、アパートらしき建物を探した。
「確かにこの辺りだな……。」
ニシヤンが自分達の位置と、地図を見比べて言った。
そこには大きな立体駐車場が在るだけだった。
青信号の電子音が鳴り出し、
「俺らは、あっちの方を見てくる」
何人かが交差点を渡って行った。
残ったシロー達は、立体駐車場の辺りを見て廻っていた。
悪い予感を感じながら、何らかの痕跡を探していると、ニシヤンが電信柱を見てある事に気付いた。
「おい!あれを見ろ!」
ニシヤンは電信柱の住所プレートを指差した。
「ここは新宿から近いけど、もう渋谷区だ!
新宿区役所が渋谷にアパートを建てたりするか?」
それを聞いて、全員呆然とした……。
そして次の瞬間、皆の脳裏を一瞬にしてよぎった。
゛だまされた!゛