雪割草
第十五章~誘導
 「クソー、あの野郎騙しやがったな!」

 皆怒りに震えていた。

「おい!どうする」

「とりあえず公園に戻ってみようぜ!アイツら、まだその辺に居るかもしれねえ!」

「よし!行くぞ」

 ニシヤンが号令をかけた。

一斉にリヤカーのハンドルを握り、今度は甲州街道を新宿中央公園に向かってばく進した。

シローも美枝子をリヤカーの荷台に乗せ、

「大丈夫だからな」

 一声かけると、みんなに続いた。

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