雪割草
第五章~仲間達
初秋の風が段ボールハウスの壁を小刻みに叩き、午後の微睡みの中にシローは包まれていた。
よく耳を傾けてみると、壁を叩いているのは風の仕業ではなかった。
「シローさん。起きろ!」
シローが眠気眼で入り口に目をやると、ここの住人のチュンサンが顔を覗かせていた。
チュンサンは中国人。
留学で日本に来たらしいが、いつの間にか段ボールハウスに住みついていた。
もう、十年以上は日本に居るらしい……。
「シローさん、さっき古川紙業に段ボール運んだら、おかみさんから焼酎貰ったんだよ。どういう風の吹き回しだろうね……。
それはまあいいからさ、みんなで酒盛りしよ!集会所で待ってるよ。おいで」
そう言い残してチュンサンは戻って行ってしまった。
よく耳を傾けてみると、壁を叩いているのは風の仕業ではなかった。
「シローさん。起きろ!」
シローが眠気眼で入り口に目をやると、ここの住人のチュンサンが顔を覗かせていた。
チュンサンは中国人。
留学で日本に来たらしいが、いつの間にか段ボールハウスに住みついていた。
もう、十年以上は日本に居るらしい……。
「シローさん、さっき古川紙業に段ボール運んだら、おかみさんから焼酎貰ったんだよ。どういう風の吹き回しだろうね……。
それはまあいいからさ、みんなで酒盛りしよ!集会所で待ってるよ。おいで」
そう言い残してチュンサンは戻って行ってしまった。