雪割草
第二十一章~告白
「あんた……。その人を……。
その人を殺したの?
今から、どこかに捨てる気?」
少女の瞳は不信感でいっぱいだった。
彼女の視線に促され、リヤカーの荷台に目をやると、ビニールシートが捲れあがり、美枝子の足首から先がほんの少し露出しているのが判った。
「いやっ、これは……。」
そこから先の言葉が出てこなかった。
少女の詰問に、シローは初めて自分のしようとしている事の重大さに気付いた。
「あたし、警察呼んで来る」
彼女はそう言い放ち、県道の方へと足をもたつかせながら走り出した。
「あっ……。」
シローは少女を止めようとしたが、それも思いとどまった。
もし、ここで……。
ここで警察に捕まるのも仕方がない……。
美枝子を死なせてしまったのは、自分自身の不甲斐なさからなのだから……。
そう思うと、走り去った少女の後ろ姿を、ただ見送る事しか出来なかった。
シローは捲れたままのブルーシートを直しながら、美枝子に話しかけた。
「美枝子、ここでお別れかもしれない……。
夕日を見せてあげられなくなっちまった……。
もうすぐ、俺もそっちに行くからな……。」
吐いた溜め息と一緒に、そう呟いた。
その人を殺したの?
今から、どこかに捨てる気?」
少女の瞳は不信感でいっぱいだった。
彼女の視線に促され、リヤカーの荷台に目をやると、ビニールシートが捲れあがり、美枝子の足首から先がほんの少し露出しているのが判った。
「いやっ、これは……。」
そこから先の言葉が出てこなかった。
少女の詰問に、シローは初めて自分のしようとしている事の重大さに気付いた。
「あたし、警察呼んで来る」
彼女はそう言い放ち、県道の方へと足をもたつかせながら走り出した。
「あっ……。」
シローは少女を止めようとしたが、それも思いとどまった。
もし、ここで……。
ここで警察に捕まるのも仕方がない……。
美枝子を死なせてしまったのは、自分自身の不甲斐なさからなのだから……。
そう思うと、走り去った少女の後ろ姿を、ただ見送る事しか出来なかった。
シローは捲れたままのブルーシートを直しながら、美枝子に話しかけた。
「美枝子、ここでお別れかもしれない……。
夕日を見せてあげられなくなっちまった……。
もうすぐ、俺もそっちに行くからな……。」
吐いた溜め息と一緒に、そう呟いた。