君がいれば・・・①
『セナ』



「は、はいっ!?」



『愛している』



電話が切れた。



「っ……シンったら……」



シンの甘い愛しているの声に、顔が熱くなる。



どうしてきれいでもないわたしの事を愛してくれるんだろう……。



そうだ!きっとシンは仕事できれいな人見すぎておかしくなっちゃったんだ!



うん、きっとそうだよ。



変に納得して瀬奈は階下へ行った。




「瀬奈?シンの写真集は?」



ダイニングキッチンに入るなり母親が聞く。



「まだ見てないもん」



じっくり見たいし。



「まだ見てないってママが買ってきたのよっ」



「後でね」



イスに座って両手を合わせて「いただきます」をしてから箸を手にした。



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