君がいれば・・・①
かける?


かけない?



どうしよう……。


携帯電話を見つめたまましばらく瀬奈は葛藤していた。



でもシンと話したい。



瀬奈は衝動的にシンの番号を発信していた。


~~~~~♪



『セナ!』



すぐにシンの声が聞こえた。



「シン……あ、あの電話もらっていて……」



『電話をくれて嬉しいよ かけなおすから待ってて』



シンはそう言って電話を切った。



わたしは訳が分からずに電話を切ったその時、画面が光り着信音が鳴った。



「シン、どうしたの?今、都合が悪かった?」



『いや、少しの時間でも電話代が……』



シンが口ごもる。



瀬奈の電話代を気にしてかけ直してくれたことに気付いた。



「ぁ……シン、ありがとう」



たくさん話したいのにシンの声を聞いたら何も言えなくなった。



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