君がいれば・・・①
「可愛い弟は冷たいな 久しぶりの会ったというのに」



ネクタイを緩めてシンとは反対側のソファーに座る。



帰ろうとしていた所にドンヒョクが帰ってきてしまった。



「明日も早いので帰ります」



シンは立ち上がったが、ドンヒョクがたまには一緒に飲もうと誘い、再び腰を下ろすことになってしまった。



セナの声が聞きたいのに……。



******



帰りの車の中。



酒には強いシンだが、兄と祖父に飲まされ続け気分は最悪だった。



瀬奈に電話をかけられなかった事も気分を最悪にさせる一つ。



「シン、大丈夫か?」



隣に座っているジフンが窓の外を見て黙り込んでいるシンに言う。



「ん?あぁ……」



「絶対的な命令じゃなくて良かったじゃないか」



見合いのことだ。



「絶対的だったら……俺はパクの名前を捨てる覚悟は出来ているから」



「シン!?」



そんな事を考えていたとは……。



ジフンは初めて聞いてぼう然となった。


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