君がいれば・・・①

初めての夜

手を差し出されて人形のようにその手を掴み寝室へ向う。




立ち上がったセナに緊張の色が走ったのがわかった。



怖がらせてしまって可哀想になる。



「セナ、緊張しないで こっちの方が緊張してくる」



おどけたように言って笑った。







瀬奈は素直にバスローブの紐を直して言われたとおり横になった。



シンも瀬奈の隣に横に滑り込む。



そして瀬奈の頭の下に腕を入れて抱き寄せる。



どうしよう……心臓がバクバクして、こんなんじゃ眠れないよ……。



シンが部屋の電気をベッドサイドのライトを1つにすると部屋は薄暗くなった。



「セナ、そんなに固まらないで……」



「う、うん……」



薄明かりの中、すぐ近くにシンの顔が見える。



今日のシンは写真集のシンじゃない。





< 174 / 430 >

この作品をシェア

pagetop