君がいれば・・・①
瀬奈は立ち止まったままだった。



下を向いている為、まだ彼は自分に気付いていない。



このまま帰ってしまおうかと考える。



ダメだ……それは出来ない……。



約束は約束だから。



面と向かってちゃんと断ろう。



瀬奈は彼に近づこうと足を向けた時、彼が顔を上げた。



彼と目が会った。



その瞬間、彼は優しく微笑んだ。



やばっ……やばいです……その微笑……。



瀬奈が近づく前に彼はその長い足で瀬奈の目の前に来ていた。



「セナ、ちゃんと来てくれたんだね」



嬉しそうに彼は言うと瀬奈の手を握った。





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