君がいれば・・・①
タクシーに乗る前に握られた手は一度離されたものの今は再び握られている。
彼はそれから一言も話さずに瀬奈の顔ばかり見ている。
じいっと見られている瀬奈の方が恥ずかしくなってくる。
「あ、あの」
彼の指が瀬奈の口元に触れる。
「知りたい事は後で話すよ 今は君の顔を見ていたい」
つまり……話すなってこと……??
わけが分らないよ。
彼はキャップのつばの下からブラウンの瞳を瀬奈に向けている。
もう……早く着いて……。
うつむくと握られた手が見える。
すらっとした指で女性より綺麗なんじゃないかな、と思うけどやっぱり節があって男らしい手。
話をしないカップルに運転手も怪訝そうにバックミラーをのぞいたりしている。
何も会話しないなんておかしいよね。
瀬奈は目を閉じて寝ている振り作戦を決め込んだ。
彼はそれから一言も話さずに瀬奈の顔ばかり見ている。
じいっと見られている瀬奈の方が恥ずかしくなってくる。
「あ、あの」
彼の指が瀬奈の口元に触れる。
「知りたい事は後で話すよ 今は君の顔を見ていたい」
つまり……話すなってこと……??
わけが分らないよ。
彼はキャップのつばの下からブラウンの瞳を瀬奈に向けている。
もう……早く着いて……。
うつむくと握られた手が見える。
すらっとした指で女性より綺麗なんじゃないかな、と思うけどやっぱり節があって男らしい手。
話をしないカップルに運転手も怪訝そうにバックミラーをのぞいたりしている。
何も会話しないなんておかしいよね。
瀬奈は目を閉じて寝ている振り作戦を決め込んだ。