君がいれば・・・①
駅に着くと瀬奈はバッグから携帯を取り出した。


シンの番号を出して押す。


~~~~~♪


~~~~~♪


数回鳴らしたがシンは電話には出なかった。



シン……。



電話に出ない事でシンとすごい距離を感じてしまう。



再び涙が出そうになり瀬奈は家路を急いだ。



家にはまだ誰も帰っていなかった。



母親は明日韓国旅行から帰ってくる予定で、父親はまだ仕事。



和馬は予備校。



ソファーに力なく座ると、昨日ここにシンが座っていたんだと思い出し、とうとう涙が溢れ出した。



シン……会いたいよ……。



寂しくなってしばらく泣いていた。



泣いているうちに、自分だけがこんなに寂しい思いをしていてシンはたいして思っていないのかもと思い始めてきた。



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