君がいれば・・・①
「セナ、セナ」



名前を呼ばれて身体を揺さぶられる。



聞きなれない声にハッとして目を開けると思い出した。



「あ……」



寝たふりが寝ちゃったんだ。



「君は寝顔も可愛いね」



クスッと笑われた。



その笑い方はどうにも馬鹿にした感じ。



もしかして……よだれ出ちゃってたかな……?



気になって手を口元に持って行く。



その仕草を見て再び笑う彼。



タクシーのドアが開いていた。



彼が先に降り、瀬奈も慌てて降りた。




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