君がいれば・・・①
「何日間いますか?よろしかったら夕食でもご一緒にいかがですか?」



男性は20代後半のようでイケメンといえばイケメンの部類に入るかもしれないなと誘われながら思った。



「あ、あの 予定があるのですみません」



丁寧に断ると男性は「残念だな」と言って肩をすくめて行ってしまった。



到着の時でよかったと思う。



最初に誘われたらその後は気まずい思いを到着するまでしたであろうから。




到着ロビーに出ると旅行者の係りの人間が待っていてくれた。



女の一人旅をおかしいと思っている顔をしていた。



本当の所、女の一人旅は変だよね。



瀬奈もひとり納得して迎えの観光バスに乗った。



バスが動き出すと瀬奈は窓の外を見始めた。



ここにシンが住んでいるんだ……。



思ったより近代化が進んでいた。



お買い物もしたいな。



外は晴天でまぶしく瀬奈はサングラスを持ってこなかったことを後悔した。



まぶしくて目の奥がちょっと痛む。



目の奥に頭痛を感じ始めているのを無視する。



あちこちのホテルにお客さんを降ろしていき、パシフィックホテルに到着すると瀬奈も降りた。


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