君がいれば・・・①
【やあ、君は撮影のスタッフ?】



うつむいた瀬奈に、なにやら韓国語が聞こえた。



「え?」



慌てて顔を上げると隣に青年が座っていた。



【君は撮影スタッフじゃない?そうだよね~ じゃあ 女優さんかな?】



何を言われているのか分らなくて首をかしげる。



どこかへ行って欲しい……。



「ごめんなさい 韓国語はわからないんです」



瀬奈は日本語でいいながら首を振ると、隣の彼はおもしろそうに瀬奈を見た。



【日本人か、さっき ジフンさんと話していたでしょ?】



彼の言ったジフンと言う言葉だけ分かった。



頭がぼんやりしてきて彼と話している場合ではなかった。



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