君がいれば・・・①
足早に瀬奈の元へ近寄る。



「セナ」



瀬奈はジンウクの相手をしていなかった。



うつむいていた瀬奈がシンの声を聞いてハッと顔を上げた。



目がとろんとしている。



「セナ?」



上気した顔を見て瀬奈の具合が悪い事を見て取った。



【何をしていたんだ!ジフンのやつ!】


シンが罵倒する。



体調が悪いのに炎天下の下でずっといさせてしまった。



「シン……?」



自分の名前の後に怒った様な口調の韓国語に瀬奈は驚いた。



【彼女は具合が悪そうだよ】



ジンウクが立ち上がる。



【ああ そうらしいな】



シンは瀬奈の膝の裏に手を差し入れると抱き上げた。



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