君がいれば・・・①
「ホテルに戻るのは良くない 風邪がぶり返すよ」


「でも……」



瀬奈が戸惑っているのが分る。



「もともと泊まってもらうつもりだったんだ」



シンがそう言うと瀬奈がコクッと頷いた。



2人の時間はあまりにも短い。



出来る限り一緒にいたいと思うのは2人の願いだから。



******



ジフンが瀬奈のスーツケースを持って現れた。



明日の芸能欄に2人の事が載るのは免れないらしい。



シンはそれでもかまわないと思った。



抱き上げた時、瀬奈は下を向いていたから顔は写されていないだろう。



それでも瀬奈を守るのは自分の役目だ。



シンのベッドにいる瀬奈には会わないまま帰っていったのだが。



「兄貴がスーツケースを持って来てくれた」



瀬奈の小さなスーツケースはシンが持つともっと小さく見えた。



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