君がいれば・・・①
「とりあえず セナの素性は秘密だ 日本人だという事も」



韓国で日本人が嫁になるのは世間的に大変なのだ。



ましてや韓国語を話せない瀬奈は疎外感を受けるだろう。



ほんの短い間にシンは瀬奈に本気になった。



『わかった 今は内緒にしておくよ』



そう言ってジフンの電話は切れた。



もっとゆっくり瀬奈との事をはぐくんで行きたかった。



どうやらそうも行かないらしい。



シンの立場上世間は放っておいてくれない。



******



瀬奈が起きるまでシンは眠っている瀬奈の隣で台本を読む事にした。



ベッドボードに背を預けて片方の足を膝立ちして台本を読んでいく。



向こうを向いて眠っていた瀬奈が寝返りを打ち、シンは台本を横において瀬奈の顔を見つめた。




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