君がいれば・・・①
木の門をくぐると広いスペース。



「ここはお店?」



立ち止まった瀬奈にシンが振り向く。



「ち……」


違うと言おうとした所で、チマチョゴリを来た老婆と老人が現れた。



【シン坊ちゃま!】



2人が嬉しそうに近づいてきた。



「セナ、ここは母さんの実家なんだ もう祖父母はいないけど爺と婆やがここを守ってくれている」



シンの母の実家は、この村の一帯をまとめている地主だった。



シンが日本語で女の子に言っているのを驚いて年老いた2人が興味深げに見ていた。



【日本人なんだ 彼女はセナ 俺の大事な人】



シンの言葉を聞いて2人は大きく頷いた。



そして瀬奈を見る。



【ようこそいらっしゃいました】



2人に挨拶をされて瀬奈は戸惑った。



まだ韓国語の単語すら覚えていない。



「2人はセナを歓迎しているよ」




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