君がいれば・・・①
「シ、シン……こんにちはって……?」


【アンニョンハセヨだよ】



そうだ!それっ



瀬奈は老人2人に向き直る。



【ア、アンニョンハ、ハセヨ】



初めて韓国語を口にして深くお辞儀をした。



仕事がら瀬奈のお辞儀は美しい。



2人は瀬奈の挨拶にしわのある顔を緩ませた。



【シン坊ちゃん セナさん さあさ、中へどうぞ】



温かく出迎えてくれたみたいで瀬奈はホッとした。



瀬奈よりももっとシンの方が安堵していたのだが。



広い居間に通された。



テーブルやイスなどはなく、床に座る。



【婆や、美味しいものを作って欲しいんだ セナは韓国料理が初めてだから辛さは控えめにして】



【もちろんですとも】



作りがいがあるとばかりに2人は厨房へ行った。




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