君がいれば・・・①
ホントに世間知らずなお嬢さんだな。



「身分を保証するものは何もないけど、セナの嫌がる事はしないと誓うよ」



瀬奈は切実に話す彼に、こくっと頷いていた。



だんだんと観覧車は地上に近づいて来て瀬奈はホッとしていた。



シンは降りる前にサングラスをかけた。



到着するとシンが先に降りて瀬奈に手を貸す。



その仕草に瀬奈はのぼせそうだった。



今日は生まれて初めてエスコートなるものを実感した。



「次は?」



園内を歩きながらシンが聞く。



「あれがいいっ!」



歩いていると2人乗りの箱のような乗り物に乗ってメルヘンの世界を見ていくものだ。



瀬奈がそれを指差すとシンは苦笑いをした。



「ジフンはいや……?」



どう考えても彼には似合わなそうな乗り物だ。




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