君がいれば・・・①
「いや、セナと一緒ならどこでも良いよ」



また歯の浮くようなことを平気で言うんだから……。



「それにまた2人っきりになるチャンスだし」



瀬奈の頬が赤く染まった。



そこはカップルには人気らしくまあまあの行列だった。



最後尾に並んだ2人。



手はずっと繋がれている。



シンは気が楽になった。



ここではカップルばかりでお互いの事を見るのに忙しく自分に目を向けないからだ。



瀬奈はジフンを改めて見てみた。



サングラスとキャップで顔を隠していたものの背の高さは辺りにいる男性より抜きん出ていてスタイルも良い。



黒のTシャツから出ている腕は筋肉質だ。



スタイルがいいのだが華奢なタイプではないらしい。



瀬奈は紳士服売り場に2年近くいるので男性のスタイルに敏感になっていた。



首には皮とシルバーのアクセサリー。



時計と反対の腕にもシルバーのブレスレットをはめていて良く似合っている。




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