君がいれば・・・①
シンは立ち止まると、あっという間に人に囲まれてしまっていた。



「信也さん、パク・シンを見れたからもういいです ありがとうございました」



「瀬奈ちゃんっ!」



瀬奈は逃げるように信也の元から離れた。




動きを阻まれたシンの目に瀬奈が会場の出口に向かうのが見えた。



セナ!



シンは胸ポケットから携帯を取り出した。



「失礼」



周りの人にそう言って瀬奈のボタンを押す。



「お客様のかけた電話は現在――」



電源が入っていないのか。



電話を切ると、シンは信頼の置いているボディーガードのオ・ハジンに電話をかけた。




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