君がいれば・・・①
瀬奈は会場から出るとロビーのソファーに座った。



気持ちを落ち着けたい。


シン……怖い顔をしていた……。


やっぱり中へ入らなければ良かった。


わたしがあそこにいて言い訳がないもの。


シンの姿をひと目見たいだけだったのに……。


シンのタキシード姿カッコよかったな。


この後、シンの部屋に行っていいのか……。


なぜかためらいが先にたつ。






「キノシタ セナさんですね?」



名前を呼ばれてハッと上を向くと、黒いスーツにサングラスをかけた体躯のよい男性が目の前に立っていた。



「は、はい……?」



瀬奈はおそるおそる返事をした。



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